共に祝う日1 - 08/08 Tue
彼女が友達と会うからと連れていかれたときに出逢った・・・
「久し振りー!」
「うわー!久し振りー!っていうかお互いに彼氏連れて会うとかなんか気恥ずかしいねぇー」
女同士でキャッキャと盛り上がっている隣で初めて目を合わせる
やけに色の白い細い男・・・これが第一印象だった
「あ、彼が噂の増田くん?」
「そうそう!増田くんっ!やっと付き合うことができたのだー!ねぇー?」
増田と呼ばれた色の白い男が頭を下げる
「そっかそっか!カッコいいねぇー!あ、これ、うちのタロちゃん」
「犬みたいな紹介すんな!バカ」
彼女のセットされた髪の毛をクシャクシャと乱しながら「田町 志郎・・・」と名を名乗る
「え!タロちゃんじゃないじゃん!」
またキャッキャと女同士で盛り上がり始めて置いていかれた男2人はため息を吐きながら飲み物を口に入れた
「おいー、オレの誕生日プレゼント買いに行くっつったのはどこにいったんだよ・・・ったく」
「・・・誕生日近いんだ?」
多分その時初めて口を開いたと思う。薄い唇が小さな声でそう聞いてきた
「んー?明日」
「え?」
そしてそのときちゃんとまっすぐ顔を見た・・・端正な顔。その顔に大きめのフレームのメガネ・・・きれいな顔を隠すかのようなメガネ
「そう。明日ー」
「オレも・・・明日誕生日」
思いもよらない偶然・・・増田の口許に笑顔が浮かんで、田町も表情を和らげる
「マジかー!偶然だなそれ!すげぇ」
「だな・・・」
彼女たちの横で静かに趣味だとか少し話をして別れる・・・
その時の彼女とはすぐに別れたけれど、今でも隣に増田はいる
あれから会うことはなかったのに、大学がまさか同じ大学で、しかも専攻まで同じ・・・家を出て、県外の大学へ進んだのに出会ってしまったまたもや偶然・・・
「お前、遠距離で続いてたんだっけ?」
「あー・・・」
高校2年からだから3年も付き合っているのか・・・と頭でどこか思いながらテレビのチャンネルをカチカチと変える。特に見たいものがあるわけでもなく、ただ、手持ち無沙汰で・・・変わっていくテレビ番組をぼーっと見つめる
増田はもともと喋るほうでもなく、どちらかというと田町が一方的に話すのはずっと変わらない。初めて出会った時から変わらない
「こないだ、別れた」
「は?!」
「振られた」
「マジか・・・」
読んでいる漫画から目も離さず頷く増田を見て「じゃあ、誕生日は一緒に過ごすかー」と呟く
誕生日まであと1週間・・・同じ誕生日。でも、去年の誕生日はバイトして過ごした誕生日。バイト先で祝っては貰えたが、なんだかどこか虚しくなった誕生日
「男2人でケーキ食うのか?ないな」
「やろうぜー。ケーキ買ってきてロウソク20本立てて一緒にバースデーソング歌って一緒に火消すんだ」
田町はテレビを消すと増田を見る。相変わらず漫画から顔を上げない増田の横顔・・・
「増田ちゃんさー、睫毛長いな・・・メガネ当たりそう」
「当たらないように鼻んところ盛ってある」
「へー」
キレイな横顔・・・モテそうなのに少し怖がられる程の無表情で無口な男・・・同じ誕生日なのに正反対。田町は増田のメガネを奪い取ると自分で掛けてみる
「うっわ。きっつ!」
「何すんだよ」
「いや、これがお前をカッコよく見せてんのかと思って!どう?オレイケてる?」
「・・・」
無表情な顔に見つめられて田町は「つまんねぇ」と言いながらメガネを返す
「増田ちゃん、誕生日、マジでバイト空けるからさー、一緒にケーキ食わね?」
「・・・ショートケーキ?」
「そそ。丸いホールのケーキ」
「食えねぇだろ」
「食うよ!胸焼けしても食う!」
いつものように薄い唇の口角を少しだけ上げて笑う増田。これは了承のサイン
「よーし!オレがケーキ買ってくるからなー!」
久し振りに誕生日の予定が入って子どものころのようにワクワクした田町はそう言ってバシバシと増田の肩を叩いて喜びながらそう言った

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「久し振りー!」
「うわー!久し振りー!っていうかお互いに彼氏連れて会うとかなんか気恥ずかしいねぇー」
女同士でキャッキャと盛り上がっている隣で初めて目を合わせる
やけに色の白い細い男・・・これが第一印象だった
「あ、彼が噂の増田くん?」
「そうそう!増田くんっ!やっと付き合うことができたのだー!ねぇー?」
増田と呼ばれた色の白い男が頭を下げる
「そっかそっか!カッコいいねぇー!あ、これ、うちのタロちゃん」
「犬みたいな紹介すんな!バカ」
彼女のセットされた髪の毛をクシャクシャと乱しながら「田町 志郎・・・」と名を名乗る
「え!タロちゃんじゃないじゃん!」
またキャッキャと女同士で盛り上がり始めて置いていかれた男2人はため息を吐きながら飲み物を口に入れた
「おいー、オレの誕生日プレゼント買いに行くっつったのはどこにいったんだよ・・・ったく」
「・・・誕生日近いんだ?」
多分その時初めて口を開いたと思う。薄い唇が小さな声でそう聞いてきた
「んー?明日」
「え?」
そしてそのときちゃんとまっすぐ顔を見た・・・端正な顔。その顔に大きめのフレームのメガネ・・・きれいな顔を隠すかのようなメガネ
「そう。明日ー」
「オレも・・・明日誕生日」
思いもよらない偶然・・・増田の口許に笑顔が浮かんで、田町も表情を和らげる
「マジかー!偶然だなそれ!すげぇ」
「だな・・・」
彼女たちの横で静かに趣味だとか少し話をして別れる・・・
その時の彼女とはすぐに別れたけれど、今でも隣に増田はいる
あれから会うことはなかったのに、大学がまさか同じ大学で、しかも専攻まで同じ・・・家を出て、県外の大学へ進んだのに出会ってしまったまたもや偶然・・・
「お前、遠距離で続いてたんだっけ?」
「あー・・・」
高校2年からだから3年も付き合っているのか・・・と頭でどこか思いながらテレビのチャンネルをカチカチと変える。特に見たいものがあるわけでもなく、ただ、手持ち無沙汰で・・・変わっていくテレビ番組をぼーっと見つめる
増田はもともと喋るほうでもなく、どちらかというと田町が一方的に話すのはずっと変わらない。初めて出会った時から変わらない
「こないだ、別れた」
「は?!」
「振られた」
「マジか・・・」
読んでいる漫画から目も離さず頷く増田を見て「じゃあ、誕生日は一緒に過ごすかー」と呟く
誕生日まであと1週間・・・同じ誕生日。でも、去年の誕生日はバイトして過ごした誕生日。バイト先で祝っては貰えたが、なんだかどこか虚しくなった誕生日
「男2人でケーキ食うのか?ないな」
「やろうぜー。ケーキ買ってきてロウソク20本立てて一緒にバースデーソング歌って一緒に火消すんだ」
田町はテレビを消すと増田を見る。相変わらず漫画から顔を上げない増田の横顔・・・
「増田ちゃんさー、睫毛長いな・・・メガネ当たりそう」
「当たらないように鼻んところ盛ってある」
「へー」
キレイな横顔・・・モテそうなのに少し怖がられる程の無表情で無口な男・・・同じ誕生日なのに正反対。田町は増田のメガネを奪い取ると自分で掛けてみる
「うっわ。きっつ!」
「何すんだよ」
「いや、これがお前をカッコよく見せてんのかと思って!どう?オレイケてる?」
「・・・」
無表情な顔に見つめられて田町は「つまんねぇ」と言いながらメガネを返す
「増田ちゃん、誕生日、マジでバイト空けるからさー、一緒にケーキ食わね?」
「・・・ショートケーキ?」
「そそ。丸いホールのケーキ」
「食えねぇだろ」
「食うよ!胸焼けしても食う!」
いつものように薄い唇の口角を少しだけ上げて笑う増田。これは了承のサイン
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久し振りに誕生日の予定が入って子どものころのようにワクワクした田町はそう言ってバシバシと増田の肩を叩いて喜びながらそう言った

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はい。こんばんは
実は、今日の更新本気でなにもUPするものがなくて悩んで悩んで昔書いたSSのUPに踏み切りました。短めだと思う・・・(加筆修正しなければ)
そして、これが終わったら少しお休みが欲しいところ・・・お盆もあるから休みが欲しいところ・・・
あ、今日8月8日じゃんっ!!!尽八ちゃんバースデーかぁぁぁぁぁーーー!うわーーーんっ!尽八ぃぃぃぃーーーうわーーーんうわーんっおめでとうーーーーっ
実は、今日の更新本気でなにもUPするものがなくて悩んで悩んで昔書いたSSのUPに踏み切りました。短めだと思う・・・(加筆修正しなければ)
そして、これが終わったら少しお休みが欲しいところ・・・お盆もあるから休みが欲しいところ・・・
あ、今日8月8日じゃんっ!!!尽八ちゃんバースデーかぁぁぁぁぁーーー!うわーーーんっ!尽八ぃぃぃぃーーーうわーーーんうわーんっおめでとうーーーーっ
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