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青春はプールの中で12-12 - 02/23 Fri

trackback (-) | comment (6) | 青春はプールの中で
「絵里ちゃん!」

キャンパス内でそう呼び止められて逃げ出したい気持ちを抑えて振り返る

「ごめんっ!」
「・・・うん」

何が?とは聞かれないことに「やっぱり」と思いながら栗山は困った顔で頭を何度も下げる

「・・・話せる?」
「え?あ・・・うん」

静かな酒井の声に小さく恐怖を感じながら購買で買ったジュースを手にベンチへ腰を下ろした

「・・・栗山くんの好きな人は、柿内さんなの?」
「っ・・・」

深呼吸をひとつした酒井がいきなり核心に迫った質問をして来て息を詰める

否定したい。でも酒井に嘘は吐きたくない・・・もし、これが酒井じゃなかったらいつものように軽い振る舞いで否定できただろう。でも、酒井だから

「・・・うん」
「・・・そう」
「で、でもね!あのね!」
「私のことが可愛いとか好きとかいうのは柿内さんの代わりだったんでしょ?」
「え?」

代わり・・・記憶がないけれどそんなこと思ったことはない。だから必死に否定する

「でも!似てるって言ってたじゃん」
「・・・うん。確かにね、優しいところとかはね・・・似てるかもだなぁー・・・って言っても柿内くんって全然優しくないから絵里ちゃんの方がずっと優しいしっ」
「・・・そう」
「・・・ごめん。イヤだよね。一瞬でも付き合った男が男のこと好きとか・・・みんなに言う?」

酒井がため息を吐く

「それ、私に何の得があるの?」

栗山は確かに。と空を見上げた

「オレねー、多分ゲイ寄りのノーマルなの」
「それ、ゲイ寄りのバイとかそう言わない?」
「ハハ・・・興味はあるけど怖いからー。だからねー、柿内くんだけなんだー」

明るい空が栗山の曇った心も晴らしてくれればいいのに。そう思いながら空を見つめる

「高校の先輩でさ、柚木先輩っていうねー、すごいオレの憧れの先輩と付き合っててー・・・柚木先輩には憧れとして惚れてて、柿内くんは別の意味で好きだった」

空を見つめたままそう話しだした栗山の顔はいつもよりも真剣で真っ直ぐで目が離せなくなる
こんな顔をずっとしていれば軽く見られないのに。と思いながら

「柚木先輩は2つ上でさ、卒業して遠い大学行ったしやっぱり男同士だし別れるのかなーとか思ってたのにさ、全然で。オレは悔しいから余計に柿内くんには素直になれなくて可愛げのない後輩でね、それで、柿内くんも柚木先輩追いかけて向こうの大学行っちゃった。これでオレも吹っ切れると思ったのにねー・・・ダメだったの」

栗山を見つめていたら急に眉を下げながら微笑む栗山の顔が酒井を見つめる

「この大学、決める前に会いに行ってフラれたんだ。オレ」
「・・・」
「もー、それはもう見事に。だからさ、忘れた!告ってきた子と手当たり次第付き合ってダメになってはまた次と付き合ってーって繰り返してたらさ、絵里ちゃんに逢った。冷たくて優しくて・・・そこかなー。柿内くんと似てたの。惹かれてアタックしてフラれて。でも、柿内くんと似てたからとか思ったことなかった。必死で柿内くんのこと思い出す余裕もなかったし」

軽くて信じられなかった元カレ。この話をされていたら信じられたかもしれないのに。と唇を噛む

「柿内くんへのこの気持ちはねー、ホント最近。柚木先輩と別れててこっちに就職したんだって他の先輩に教えてもらってさー。でも、オレがこっちの大学にいるだなんて柿内くん覚えてもなかった!」
「・・・そう」
「望みなんてどこにもないのに苦しいだけなのに・・・どうしたらいいんだろうね。オレ」
「・・・なよ・・・」
「え?」

聞き取れなくて聞き返すと顔を真っ赤にした酒井の顔

「諦めんな!!!」
「ぅ・・・え?!」

こんな酒井の顔は見たことなくて驚いて思わず変な声を上げる栗山

ホントは諦めなよ。そう言いたかった。でも、言えなくて。栗山の真剣な想いを聞いてしまったから言えなくて・・・

「望みないとか!そんなの気にするタイプじゃないでしょ!栗山葉月っ!」
「・・・でも」
「でもじゃない!結局柿内くんのデートぶち壊したんでしょ?!なのに受け入れられてるんでしょ?!なら望みなくなんかない!」
「なんで知ってんのぉー」
「・・・ユキちゃんたちから聞いた」
「もーーー!ユキちゃんおしゃべり!!!」

朝の授業で絡まれて打ち明けたらそれでもモノにできてないなんてヘタレすぎ!と爆笑されたのを思い出すといつもの明るく軽い笑顔に戻る栗山。これが酒井の知っている栗山。だから、この軽い笑顔の栗山を応援する。よく知っている苦手なタイプの栗山を

「力にはなれないだろうけど応援してあげるから」
「ううん。もーね!絵里ちゃんに聞いてもらっただけですっごい元気ー!オレ超頑張るー!」

偽物の笑顔。可愛くて眩しいけれど偽物の笑顔。嘘くさいと思っていたけれど本当に嘘だったのだと判った。真剣で叶わぬ恋を抱くのを偽の笑顔で上塗りしているのを知っているのは普段仲良しに見える派手なグループの誰でもなくて酒井だけ








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絵里ちゃんもイイ子のようです・・・

っていうかね、ホント、最終章、最初考えていたものとガラッと変わりすぎてて書きたいことが増えていきすぎてあれ?最終章・・・?あれ???みたいなーーー

これを青プの最終章にして欲しくない人ー!!!はーい!!!と書いている私が1番思っているんだ。多分
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comment

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2018/02/23 Fri 10:49:15
管理人のみ閲覧できます : @
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2018/02/23 Fri 20:46:56
: きよ @-
ええ~~最終章?これ、栗山君の幸せへ一直線~!に変更じゃなかっったのォ?へへへ
  水尾チャマがんばれ!!
2018/02/23 Fri 21:31:03 URL
Re: 垣内です : 水尾 央 @-
>旧姓が様
コメントありがとうございます。
字は違えど!というやつですね///なんというかなんというか・・・私はハッピーエンド推奨派というか、ハッピーエンドじゃないとみんなが何らかの形で幸せじゃないと書けないと思うのできっときっと大丈夫ですw
完結まではまだ暫くかかるのでそれまで色々と想像してください♪そして、「あぁ、やっぱり」という結末に納得してもらえるように頑張ります^^
2018/02/26 Mon 22:00:11 URL
Re: タイトルなし : 水尾 央 @-
>きあ様
コメントありがとうございます^^
最終章私もしたくなーいっ!(ダメじゃんw)
想いが強すぎて完結した後に青プ2とか始めちゃうかもしれないレベルでw
2018/02/26 Mon 22:01:40 URL
Re: タイトルなし : 水尾 央 @-
>きよ様
コメントありがとうございます^^
あぁ、主人公を栗山にして栗山の物語ということにー・・・栗山も含めて青プですけどねw
ありがとうございます。頑張りますー。頑張りますともー!
2018/02/26 Mon 22:03:46 URL

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