FC2ブログ

青春はプールの中で12-19 - 03/02 Fri

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
あぁ!確かに栗山の部屋っぽい。それが部屋に入った第一印象だった

「何持ってきたわけ?」

袋を開くといつものタッパーが入っていてそれを出し蓋をあける
それは弁当のように詰められていて栗山は黙ってレンジにそれを入れる

コンビニの弁当じゃない。柿内の手作りの弁当を

「たまにはさ、こうやって弁当にしてやるからお前、就活、もっと力入れろよ」
「・・・」
「お前はさ、営業とかのが向いてるって。社食なくたってオレが夜弁当持って来てやればそれで解決すんだろ?」
「営業、そうだよねぇー!そう思うよーでもさぁ・・・」
「もう来年度の新卒採用なんてほぼ終わってんだから」
「・・・でもさ、ほら、もし何処にもないならーってプール教室のコーチおいでって言ってくれるところはあってさー!最悪そこかなーみたいな。休み少ないけど」

柿内は「そうか」と頷く

「大体、子どものプール教室とか超向いてると思うんだよね!オレ、お母さんたちに大人気で申し込み殺到!みたいなー!短期で入った時もオレ超人気だったんだよねー!」

確かに薄っぺらい笑顔を振りまくイケメンは需要あるのかもしれない。と柿内は頷くと出された麦茶に口をつける

「拘束時間も長いし休みも少ないから・・・キツそうだとは思うけど」
「まぁ、地元に帰るなら弁当は無理だけどこっちでっつーならオレは作ってやってもいいと思う」
「っ・・・」
「うち、ほぼ残業はねぇし」
「・・・じゃあ・・・頑張る」
「おう・・・じゃ、またな」

グラスを空にした柿内は立ち上がるとポンと栗山の肩を叩く

「え、もう帰るの?!」
「明日も仕事。お前も学校あんだろ」
「っ・・・柿内くんっ」
「あー?」
「・・・ぅ・・・」
「あぁ?」
「ありがとうっ!!!お弁当っ!」

顔を赤くして言った栗山の背中をポンともう1度叩くと部屋を後にした

「・・・優しいっ・・・の、ホント・・・勘違いしちゃうからっ・・・それとも勘違い・・・じゃなくて期待しても・・・いいのかよ」

柿内が帰り、1人きりになった部屋で温められた弁当を前に熱くなった顔を手で隠しながら栗山は好きだと何度も心で繰り返し呟いた







夕飯を弁当にして持って行ったのは気紛れ。でも自分の部屋へ帰ってきて栗山の様子を思い出しながら持って行って正解だった。そう思っていた

甘やかしてやる。そう前面に出せば栗山も素直に礼を言えるのだと判ったらもっと甘やかしたくなる

「なぁ、どう思う?」
『まーた男かよ!・・・でも、イイんじゃね?あいつはオレの可愛い後輩でもあんだから大事にすりゃあイイ』
「・・・好きとかじゃねぇし。大事とか判んねぇよ」
『まだ、だろ?』
「うっせぇ。まだとか言うな。バカユズ」

そこに本物がいないことは判っている。でも、望んだから。柿内が強く望んだから現れた柚木の幻影。会いたくて会いたくて話したくて話したくて以前も現れた柚木のリアルな幻影。それは再び望んだ柿内の前に、柿内の部屋に存在していた

以前現れたときは頭がおかしくなったのだと戸惑ったのに、今回は柚木が現れた瞬間全てを受け入れた。自分が望んだ通りなのだ・・・と受け入れていた







にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ


にほんブログ村

アーハハハハハハー柚木の幻影来たよまたー!あ、アレです。最終章から読みだしたって方にまたまた不親切な水尾なのだけれどもずっと読んでくださってる方にはあぁ、柿内だもんね。あるよね。そんなことあったよね。とか思い出してもらえたら幸せだなぁ・・・とw
関連記事
スポンサーサイト



comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する