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つれないキミと売れてる僕3-6 - 05/23 Sat

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「里見・・・仕事は?」
「さっきメールで送ってOK貰った」
「・・・終わったら来てくれるって・・・言ったよね?」
「あー、だから悪いけどもーちょっと待ってろって・・・」

須野はどう笑顔を作ったらいいのか判らず戸惑う。自分とはいつでも会えるから。だから行っておいでと送り出したいのに。それができなくて悔しくて。切なくて。
いつでも会えると思いこもうとしているが、実際のところ、ここしばらくはほとんど会えてもいない。それどころか最近では吉田と過ごしている時間の方が長い気すらしていた

「須野?」
「ごめ・・・今、結構キツイ」
「勘違いしてね?」
「何が?」
「オレ、待ってろっつったんだけど?すぐ戻るって言ってんだろ?あのバカが飲み代で所持金使い果たした上にクレカすら持ってねぇからタクシー乗れねぇとかほざいてっから迎え行って送ってくるだけ」
「・・・」
「すぐ戻る・・・」
「ホント?」

須野の声は少しだけ震えていた。信じている。信じたい。だが、心のどこかで自分といるよりも吉田と要るほうが楽しいから戻らないのではないかと疑っていた

「須野」

呼ばれて顔を上げると里見の香りがふわりとしたと思うとすぐに唇が触れる

「すぐ帰ってくる」
「うん」
「あのバカついでに一発殴ってくっかなぁ・・・めんどくせぇ」

里見がまた玄関を出て行くとドアのしまる音がやけに耳に響いた・・・


また1人の時間。やけに長い気がした。なかなか戻らない里見に須野の不安と嫉妬が時間と共に大きくなっていく。そんな気持ちを胸に須野はいつの間にか眠ってしまった



「・・・?」

須野を起こしたのは頬を撫でる冷たい手

「あ、起きた」
「さ・・・とみ?」
「悪ぃ。遅くなった」
「里見っ!」

須野は慌てて起き上がると里見を抱き寄せる。帰ってきた。本当に・・・確かに遅かったが、待ったが・・・自分のところに本当に来てくれた。それが嬉しくて須野は里見をきつく抱きしめた

「おい・・・何?どした?」
「里見は僕のところにもう来てくれないって勝手に思って凹んでた」
「バカ。約束しただろ」
「うん」

里見は優しく笑って須野にキスをしようと顔を近付ける

「里見・・・」
「?」
「・・・ウソ・・・だ」
「は?」

須野は口元を押さえて里見から仰け反る

「ウソ・・・だっ」

そしてトイレへ駆け込む。里見は後を追いかけて「大丈夫か?」と声を掛けるが、応えはなかった・・・

「須野ー?調子悪い?っつかどした?」
「・・・」
「須野ー?薬とか水とかなんか要る?」
「・・・里見・・・今まで・・・何して・・・た・・・?」
「あ?吉田迎え行って送って帰ってきたけど?」
「そのわりに時間・・・かかったね」

須野はトイレに座って震えていた。信じたくなかった。信じられなかった

「あー、吉田がクッソ酔っ払ってたから苦労したんだ・・・3発殴ったけど全然効かねぇの・・・頑丈すぎるわ。あいつ」
「ずっと?・・・それだけ?」
「あぁ?お前さっきから何言って・・・」
「じゃあ・・・それは?!」

言いたくなかった。でも言うしかなかった。止められない。止まらない。疑い始めた心はもう止まろうとしなかった

「何?」
「キスマーク」
「は?」
「鎖骨・・・のところと・・・首・・・っ」

嘘だと言って欲しかった。吉田じゃなくて女性といたと言って欲しかった。それならばショックだけれど受け入れられる。まだ耐えられる・・・

「クソ・・・あのバカ」

里見のその言葉を聞いて須野の最後の希望も砕け散る
自信なんて元々なかった。それでも女性じゃなければ・・・同性の男相手なら自分が一番里見を幸せにできると信じていたものまでが崩れさる。里見は自分じゃなくてもイイ・・・

「須野、これは吉田がふざけて・・・」
「ごめ・・・今・・・ちょっと無理。ごめん・・・出てって欲しい・・・」

須野は初めて里見を拒絶する。両手で頭を支えていないと倒れそうだった。吐き気と胃痛、頭痛で本当に倒れそうだった



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切ない回で、水尾の一言でぶち壊すっていう魂胆だったのに何も思い浮かばない・・・とりあえず二次創作を捨てたはずなのに描きたい(書きたい)心でいっぱいです。でも久し振りにペンを握ってみて超絶絵が下手だったことを思い出した・・・あれ?私マンガ描きじゃなかったっけ・・・っていう過去に出してた本を思い出してヒいた
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