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青春はプールの中で12-50 - 04/05 Thu

trackback (-) | comment (0) | 青春はプールの中で
「あー!いい湯だったわー」
「・・・だな」

温泉から部屋に戻ると付き合っていた時はこんなのんびりと旅行すらしなかったことを思い出して友人としての時間が必要だったと柚木は心の中で反省した

「・・・」
「電話か?あー、なら、散歩でもして来ようか?」
「いや、違う」

携帯を見つめる柿内に気を遣ったつもりだったが、柿内は首を振る

「・・・電話、してんだけど出ねぇし折り返しもねぇからやっぱ怒ってんのかもな」
「ケンカしたのか?」
「あー・・・まぁ、偶然でもあんたがいたからな・・・」

あぁ、自分のせいだ・・・そう思うと唇を噛む

柿内は前を向いて前へ進んでいる。自分も前へ進んでいるつもりだったのに、この恋心だけはあの頃のまま立ち止まったまま、迷っている・・・辛い。苦しい・・・あの時、柿内を傷つけ、苦しめたのは自分なのに、柿内を再び苦しめている。そして、これから友人のフリをしていくことで耐えきれなくなって傷つけるかもしれない

「まぁ、気にすんな。残りの連休、あいつのワガママ聞いて機嫌取るし。っつかそれよりあんた、明日オレが行くまでに何が食いたいか考えとけよ?」
「・・・」
「柚木さん?」
「いや、明日・・・送ってくれるだけでイイから」
「あ?だって、さっき言ったろ。あんたの部屋行ってメシ作るって・・・予定でもあったのか?」

辛い。苦しい・・・友人として過ごしていけばいい。そうさっきは思った。でも、この苦しさをずっと抱えていくのは嫌だ・・・期待してしまうから。柿内の優しさに期待してしまう。でも、それが叶わないのは判っているから

「そう。さっきメール来てた。フットサル場がたまたまキャンセル出て空きができたとかで明日集合かかってる」
「・・・その足で?」

あぁ、慣れない嘘は吐くもんじゃない。そう思いながら柚木は「もう治ったし」と嘘を重ねる

「迷惑か?」
「え?」
「あんたの嘘、オレがわかんねぇわけねぇだろ」

友達じゃイヤだ。叫びたい。でもまた柿内を苦しませて悩ませてしまうならばこの苦しみも痛みも辛さも甘んじて受け入れよう・・・友達でいる。そう誓ったばかりなのだ。それを簡単に破るなんて自分らしくない

それならば、もっと正直になった方が柚木らしくて嫌いな自分でいなくて済む

「帰したくなくなる」
「あ?」
「お前と一緒に暮らしてた部屋にお前呼んだら折角前に進んでお前とイチから友達関係築こうって思えたのにぶち壊しになる」
「それ・・・」
「悪い。困らせたいわけじゃない。カッコ悪いけどオレ、まだ気持ちの整理ついてなかったんだわ。だから、な?明日は送ってくれるだけでイイ」

まだ好きということ?もしそうなら・・・

「ユズ」
「バーカ。揺れんな。お前はそうじゃない。栗山、大事にしてんだろ?大事にしたいんだろ?じゃあ久し振りに会ったオレなんかの言葉に揺れんな。浮気なんて、二股なんてお前らしくない。オレはそんなやつに惚れてたんじゃない」

言い切られて柿内はどうすることもできずに口を閉じる

栗山を大事にしている。その言葉に嘘はない。でも、それ以上の存在だと言いたいのに自分らしくないと否定されてしまってはどうしようもなかった

「って・・・浮気したオレが言っても最悪だよな」
「・・・柚木さん」
「んー?」
「あんた、そんなカッコいいことばっか言ってて窮屈になんねぇ?」
「ハハ!でもさ、やっぱそれがオレだろ?」

柿内は確かに。と頷き笑う。本当は頭も撫でたかった。自分にだけはあの頃のようにワガママ言って甘えろと言いたかったけれど先に栗山だけを大事にしろと言われたからぐっと拳を握り、口を閉じて我慢する

栗山が好き。そう前に進んだのに柚木を前にしたら全部頭から飛びそうになるのを柚木の言葉でその感情に鎖をかける

「次、会える時にはもう少し肉つけとけよ」
「あー、まぁ、そこは努力できたらする」
「おい」
「判ってる。前に進むんだからもう平気だ。お前のメシしか食いたくないって気持ちなんとかなりそうだし」

前に進む

それを止めたい。柚木がこれから新しく恋愛するならば、今まで立ち止まっていたならばそれを止めてしまいたい衝動。でも、そんなのは自分勝手すぎるのは判っている。栗山という存在がいる自分が言えることじゃない

じゃあいなかったら?

そんな考えが浮かんだけれど拳を痛いほど握って打ち消した











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ひゃっほーい!50話到達ーーーっ!!

60話も目じゃない!とか言ってたけど、マジか!マジでかっ!!!
でも、この辺りから当初の予定とは変えて書いては消してを繰り返してるから60話まで行くかなぁーどうかなぁ・・・いや、行くよなぁ・・・っていうところでございます

そして、コメント下さっている皆様ありがとうございます。返事はもう少々お待ちくださいませ!全然時間がなーい!!!
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