青春はプールの中で12-55 - 04/22 Sun
昔は柿内と暮らした部屋。柿内が出て行ってからも誰かが頻繁にこの部屋を訪れ、共に過ごしたけれど1人には広すぎる部屋
柚木はコンビニで買って来た弁当を机に置くとため息を吐き出す
柿内と再会してから少しずつ食べる量を増やしてはいる。柿内と次に会う時には以前に近い姿になっているように。そう柿内とも約束したから
でも、美味しいと感じられない食事をたくさん摂るのは苦痛でしかなくて結局前に進めていないじゃないかと自嘲した
そんな静かな柚木の部屋にインターホンが鳴り響き、誰が遊びに来たのかと体を起こして玄関へ向かう
「お届けものです」
「あ、はい」
友人ではなかったことに落胆しながら多分実家からの荷物を受け取りサインをすると差出人を見て目を見開き、荷物をすぐに開く
クール便でやってきたずっしり重いその荷物
差出人の名前は柿内でダンボールを開くとタッパーや袋に詰められた料理だとすぐに分かる
柿内がここにいた頃、よく冷凍庫を埋め尽くしていた彼の手料理
「っ・・・これはヤバいだろ。バカ」
前に進めると思ったのにこれでは進めない。優しい柿内。誰よりも自分を判ってくれる柿内
コンビニの弁当はもう何も魅力がない。空いたとも思っていなかった腹が空腹だと柚木に訴えてくる
「美味そう」
そう呟いて今からどれを食べようか物色しながらこれなら今すぐ全部食べられそうだと思えて来て食欲がなかったはずの自分に苦笑した
「あ・・・」
タッパーの間からメモが出てきて普通、手紙なら1番上だろうに。と思いながらそれを読む
『また送る。ケチケチ食うと冷凍庫大変なことになる』
たったそれだけ。たったそれだけなのに柿内の懐かしい汚い字に小さく微笑む
柚木は「よし」と言いながらいくつかを机に置いて残りを冷凍庫へとしまうと小さな鍋にカチカチになったスープを入れて火をつけ、タッパーを電子レンジへと突っ込む
コンビニ弁当はもう必要なかったけれど、柿内が送ってくれたものと一緒なら食べられる
「明日からは米炊こう」
そう呟いてまた笑う
柿内の料理があるだけでこんなにも幸せになれる。美味しいからじゃない
柿内の心がこもっているから。友人も大事にする柿内だから自分も大事にされるのだと思うと最低な自分を許して優しくしてくれる柿内が友人だということを誇りに思った
できた料理をそのままコンビニ弁当と共に並べると一気に豪華になった食卓
「いただきます」
手を合わせて口をつけるとどんどん進む食事
「美味い」
柿内のレシピ通り作ってくれた但馬だって母だってこの味とは違った。こんなにも食欲を湧きたててくれるのは柿内の料理だけ
でも
手離したのは自分
間違っていたと後悔してももう遅い
柿内の隣にずっといたかった。でも、もう遅い
「柚木さん、美味い?」
柚木の頭に浮かぶのは夢中で柿内の料理を食べる柚木に呆れたように、でも嬉しそうに笑いながらそう聞いてくる柿内の姿
でも
もう2度とそう直接聞いてくることはない柿内の姿

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柚木はコンビニで買って来た弁当を机に置くとため息を吐き出す
柿内と再会してから少しずつ食べる量を増やしてはいる。柿内と次に会う時には以前に近い姿になっているように。そう柿内とも約束したから
でも、美味しいと感じられない食事をたくさん摂るのは苦痛でしかなくて結局前に進めていないじゃないかと自嘲した
そんな静かな柚木の部屋にインターホンが鳴り響き、誰が遊びに来たのかと体を起こして玄関へ向かう
「お届けものです」
「あ、はい」
友人ではなかったことに落胆しながら多分実家からの荷物を受け取りサインをすると差出人を見て目を見開き、荷物をすぐに開く
クール便でやってきたずっしり重いその荷物
差出人の名前は柿内でダンボールを開くとタッパーや袋に詰められた料理だとすぐに分かる
柿内がここにいた頃、よく冷凍庫を埋め尽くしていた彼の手料理
「っ・・・これはヤバいだろ。バカ」
前に進めると思ったのにこれでは進めない。優しい柿内。誰よりも自分を判ってくれる柿内
コンビニの弁当はもう何も魅力がない。空いたとも思っていなかった腹が空腹だと柚木に訴えてくる
「美味そう」
そう呟いて今からどれを食べようか物色しながらこれなら今すぐ全部食べられそうだと思えて来て食欲がなかったはずの自分に苦笑した
「あ・・・」
タッパーの間からメモが出てきて普通、手紙なら1番上だろうに。と思いながらそれを読む
『また送る。ケチケチ食うと冷凍庫大変なことになる』
たったそれだけ。たったそれだけなのに柿内の懐かしい汚い字に小さく微笑む
柚木は「よし」と言いながらいくつかを机に置いて残りを冷凍庫へとしまうと小さな鍋にカチカチになったスープを入れて火をつけ、タッパーを電子レンジへと突っ込む
コンビニ弁当はもう必要なかったけれど、柿内が送ってくれたものと一緒なら食べられる
「明日からは米炊こう」
そう呟いてまた笑う
柿内の料理があるだけでこんなにも幸せになれる。美味しいからじゃない
柿内の心がこもっているから。友人も大事にする柿内だから自分も大事にされるのだと思うと最低な自分を許して優しくしてくれる柿内が友人だということを誇りに思った
できた料理をそのままコンビニ弁当と共に並べると一気に豪華になった食卓
「いただきます」
手を合わせて口をつけるとどんどん進む食事
「美味い」
柿内のレシピ通り作ってくれた但馬だって母だってこの味とは違った。こんなにも食欲を湧きたててくれるのは柿内の料理だけ
でも
手離したのは自分
間違っていたと後悔してももう遅い
柿内の隣にずっといたかった。でも、もう遅い
「柚木さん、美味い?」
柚木の頭に浮かぶのは夢中で柿内の料理を食べる柚木に呆れたように、でも嬉しそうに笑いながらそう聞いてくる柿内の姿
でも
もう2度とそう直接聞いてくることはない柿内の姿

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柚木の寂しい食卓模様をお送りしました!(ナニソレ)
利き腕が完治していないから短めなのです・・・という言い訳をさせてくださいToT
あと、胃腸風邪が我が家に蔓延しておりましてその後始末にひたすら追われてる・・・水尾が感染らないように必死です!利き腕負傷の後胃腸風邪とか厄年なの!?あ、厄年だ・・・そうだ。私厄年だ
昨日の追記に関してですが、水尾は公開でも鍵でも拍手でもコメント貰えるのはすごくすごく嬉しいです。そして、溜まってたコメント全部に返したつもりですが、溜めすぎてたので漏れがあるかもしれません>o<もし、私のコメント水尾返してくれないんだけど!ってありましたら請求してくださいw(いや、真面目に)交流したいんだよ。交流ー!
利き腕が完治していないから短めなのです・・・という言い訳をさせてくださいToT
あと、胃腸風邪が我が家に蔓延しておりましてその後始末にひたすら追われてる・・・水尾が感染らないように必死です!利き腕負傷の後胃腸風邪とか厄年なの!?あ、厄年だ・・・そうだ。私厄年だ
昨日の追記に関してですが、水尾は公開でも鍵でも拍手でもコメント貰えるのはすごくすごく嬉しいです。そして、溜まってたコメント全部に返したつもりですが、溜めすぎてたので漏れがあるかもしれません>o<もし、私のコメント水尾返してくれないんだけど!ってありましたら請求してくださいw(いや、真面目に)交流したいんだよ。交流ー!
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comment
コメントありがとうございます^^
思った以上に長くなっていて、なかなか完結しないのが途中で読み始めさせてしまった原因ですかね;苦しめてしまってごめんなさいー
ラストはちゃんとほっこりできるよう目指しますね^^
もー青プがこんなに人気でるとは思ってなかったです。私も終わらせたくないー!でも完結まで書きたいー!(すごく矛盾)
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